第15回環境放射能除染研究発表会 開催報告

開催概要|口頭発表|ポスター発表|優秀発表賞選考結果|企画セッション|企業展示・広告支援・企画展示|記念式典|高校生との交流・次世代育成|エクスカーション|懇親会

 

2026年8月26、27日の両日、茨城県つくば市の国立研究開発法人産業技術総合研究所共用講堂において、「第15回環境放射能除染研究発表会」を開催しました。

会期中は、口頭発表やポスター発表、企画セッションなどを通じて研究成果が報告され、各会場で活発な質疑応答や意見交換が行われました。

さらに、研究発表会翌日の8月28日にはエクスカーションも実施し、関連行事を含む全日程を終えました。

本研究発表会にご参加いただいた皆さまをはじめ、開催にご尽力いただいた関係機関ならびに企業・団体の皆さまに、心より御礼申し上げます。

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発表会場の産総研共用講堂入口
発表会場の産総研共用講堂エントランス
開会のあいさつを行う大迫理事長
開会のあいさつを行う大迫政浩理事長
共用講堂内の様子
共用講堂内の様子
開催概要
開催会場
国立研究開発法人産業技術総合研究所中央事業所 共用講堂
開催日
研究発表:8月26日(水)・27日(木)
エクスカーション:8月28日(金)
開催方法
現地開催
実行委員長
保髙 徹生(当学会理事、産業技術総合研究所)
研究発表等件数
口頭発表:6セッション、31件
ポスター発表:2セッション、25件
企業展示:展示6社、企業広告4社
企画展示:環境・復興等貢献団体 7団体
企画セッション
2セッション(講演7件、総合討議)
記念式典
来賓:環境省、産総研
学会表彰:10件
特別講演:2件
参加者数
事前参加登録者数:198名
現地参加者数:191名(実人数)
8月26日:160名
8月27日:160名
懇親会:83名
エクスカーション:19名
協賛・後援団体
協賛団体:6団体、後援団体:25団体

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口頭発表

2日間にわたり、6セッション・計31件の口頭発表が行われました。

各セッションをクリックすると、演題・発表者および座長講評をPDFでご覧いただけます。

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ポスター発表

2日間にわたり、25件のポスター発表が行われ、発表者と参加者による活発な意見交換が行われました。

なお、都合により以下の3件のポスター発表を2日目から1日目(8月26日)に変更しました。

[P2-04] 安積高校生による安積中学生への授業 「福島の課題を知り復興を考えよう」の報告

[P2-05] 福島復興ワークショップ ~見て聞いて伝える復興~

[P2-11] 地域活性化に向けたカンゾウの環境適応に関する研究

下記ボタンをクリックすると、発表一覧、フォトギャラリーをPDFでご覧いただけます。

優秀発表賞選考結果

本研究発表会では、優れた発表を行った発表者を対象に、口頭発表およびポスター発表の優秀発表賞を選出しました。受賞者は以下のとおりです。

優秀口頭発表賞

優秀口頭発表賞は、各セッションの座長から推薦された候補の中から、評価の高い発表を選定しました。なお、座長は自身の発表を推薦することはできません。座長が2名体制のセッションでは、他方の座長からの推薦により受賞する場合があります。

🎉最優秀口頭発表賞

O6-03 放射性Cs溶出目安を満たす溶融飛灰セメント固型化体の強度要件の検討
最終処分
○安河内 隆仁、山田 一夫、根本 浩史、新井 裕之、櫻井 哲、東條 安匡、遠藤 和人

優秀口頭発表賞

O1-01 ディープラーニングを用いた画像分析によるリアルタイム土質判定の実規模実証
再生利用
○荻野 晃、西 邦夫、木川田 一弥
O2-01 避難指示区域における航空機モニタリングによる空間線量率と個人線量の関係
除染,計測・解析技術
○斎須 要文、水野 成人、井戸川 和夫、小原 知恭、草野 弘樹、奈須 建吾、吉田 正志
O5-02 除去土壌の県外最終処分に対する地域住民の受容と拒否―5地域21名のグラウンデッド・セオリー分析―
リスクマネジメント・社会合意形成,リスクコミュニケーション
○鬼塚 健一郎、○鈴木 薫、保高 徹生、高田 モモ
(当日、発表者変更あり)
O6-06 陽イオン交換理論に基づく高濃度一価・二価陽イオン含有浸出水中におけるベントナイトのCs吸着量予測
最終処分
○麻生 蓮太、乾 徹、緒方 奨
優秀ポスター発表賞

優秀ポスター発表賞は、実行委員から推薦された候補の中から、評価の高い発表を選定しました。

🎉最優秀ポスター発表賞

P2-04 安積高校生による安積中学生への授業「福島の課題を知り復興を考えよう」の報告
原 尚志、○布施 陽馬、南城 勇翔

優秀ポスター発表賞

P1-03 震災から15年:福島県浜通り地域森林におけるCs137の動態分析
○加藤 花夏、池田 康彦、長谷 正博、原田 正光、三浦 拓也
P1-12 森林生態系における土壌中の放射性Csの分布と移行
○玉木 林哉、葛野 周太郎、円道 一志、島田 洋子、池上 麻衣子、徳地 直子
P2-05 福島復興ワークショップ ~見て聞いて伝える復興~
原 尚志、○角田 陽向、阿部 里乃、安斎 里菜、乾 蒼一郎
P2-12 住民にとっての帰住・復興とは何か ―場所愛着の観点からの聞き取り調査―
○太田 美嘉、大沼 進、水田 恵三

受賞された発表については、代表発表者宛てに賞状および副賞をお送りします。

 2026年10月5日

一般社団法人 環境放射能とその除染・中間貯蔵及び環境再生のための学会

第15回環境放射能除染研究発表会 選考委員会

企画セッション
企画セッション1

講演1(基調講演)
「復興再生利用と県外最終処分を取り巻く現状と将来像」
泉 知行(環境省 環境再生グループ〈環境再生・資源循環局〉復興再生利用・最終処分戦略担当参事官室 復興再生利用・最終処分戦略推進官)

講演2(学術講演)
「公共的意思決定における評価軸と計画検討プロセス―技術的合理性・地域地・民主的正当性の接続」
泊 尚志(東北工業大学 工学部 都市工学課程 准教授)

講演3(学術講演)
「国内外の立地選定・合意形成プロセスから考える県外最終処分および復興再生利用に関わるシナリオ評価―評価軸とトレードオフの整理―」
三成 映理子(国立環境研究所 資源循環領域 研究員)

講演4(学術講演)
「本課題に長期に向き合ってきた専門家の知見から考える未来を描くための視点」
高田 モモ(産業技術総合研究所 ネイチャーポジティブ技術実装研究センター 主任研究員)

パネルディスカッション
モデレーター:高田 モモ(産業技術総合研究所)、三成 映理子(国立環境研究所)
パネリスト:研究者・学生・行政関係者など、立場や世代の異なるメンバー

総括コメント
森口 祐一(東京大学 名誉教授)
保髙 徹生(産業技術総合研究所 ネイチャーポジティブ技術実装研究センター 副センター長)

※報告書は準備中

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企画セッション2

開会挨拶
鎌形 浩史(JESCO 代表取締役社長)

講演1
「復興再生利用や県外最終処分に向けた理解醸成活動の状況」
安納 康栄(JESCO 中間貯蔵事業部 コミュニケーション推進課長)

講演2
「『説明』から『ともに判断するための対話』へ―公共事業分野から考える理解醸成と計画検討―」
泊 尚志(東北工業大学 工学部 准教授)

講演3
「除去土壌に関する課題の社会受容に向けた公衆―ステークホルダー参加」
大沼 進(北海道大学大学院 文学研究院 教授)

総合討議
進行:森 朋子(立教大学 環境学部 准教授)
登壇者:上記講演者

閉会挨拶
佐藤 理夫(福島大学 名誉教授/環境放射能除染学会 会長)

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企業展示・広告支援・企画展示

 各展示では、企業・団体による技術や活動の紹介が行われ、参加者との情報交換や交流の機会となりました。

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記念式典

研究発表会初日の8月26日には、産業技術総合研究所中央事業所共用講堂で、令和8年度(2026年度)学会表彰および表彰者による特別講演を行いました。

島田洋子理事の司会のもと、佐藤理夫会長の挨拶に続き、環境省環境再生・資源循環局復興再生利用・最終処分事業推進担当参事官室の伊藤史雄参事官と、国立研究開発法人産業技術総合研究所ネイチャーポジティブ技術実装研究センターの今泉博之センター長から来賓挨拶をいただきました。

表彰式では、佐藤会長から各賞の受賞者に表彰状と副賞が授与され、その後、受賞者を代表して学会賞の遠藤和人氏が挨拶し、出席者全員で記念撮影を行いました。

令和8年度 学会表彰の受賞者・受賞理由はこちら

特別講演

表彰式に続き、学術賞および調査研究・技術開発賞の受賞者による特別講演を行いました。

「中間貯蔵施設周辺復興地域の環境創生に向けた研究」

講演者:遠藤 和人 氏(国立研究開発法人国立環境研究所)

学術賞を受賞した「中間貯蔵施設周辺復興地域の融合的な環境再生・環境創生に向けた研究」プロジェクトを代表して、研究成果についてご講演いただきました。

「分級処理に伴い発生する細粒分の処分に関する技術的実証」

講演者:辻本 宏 氏(鹿島建設株式会社)

 調査研究・技術開発賞を受賞した鹿島建設株式会社・京都大学を代表して、技術実証の成果についてご講演いただきました。

 

特別講演終了後、大迫政浩理事長の閉会挨拶をもって記念式典を締めくくりました。受賞者から寄せられたコメントや、表彰式・特別講演の様子は、下記からご覧いただけます。

受賞コメント・フォトギャラリー

高校生との交流・次世代育成

本学会では、研究成果の発信に加え、次世代を担う高校生が研究の現場に触れ、研究者との交流を通じて科学や環境問題への理解を深める機会づくりにも取り組んでいます。

近年は福島県内での研究発表会開催にあわせ、地元の高校生にも参加いただいてきました。つくばでの開催となった今回は、福島高校から引率教諭1名・生徒10名、安積高校から引率教諭2名・生徒9名が参加しました。

研究発表やポスターセッションの聴講に加え、AIST-Cubeや産総研施設の見学、ラボツアー、地質標本館の見学などを実施しました。また、研究者との対話の時間も設け、実際の研究活動や研究者の仕事に触れていただきました。

今後も、研究発表会を専門家同士の成果発表・交流の場にとどめず、次世代が研究や科学に触れる機会の提供にもつなげていきます。

フォトギャラリー

エクスカーション

研究発表会終了後の8月28日には、19名が参加してエクスカーションを実施しました。

つくば駅を出発し、大熊町の中間貯蔵情報センターを視察した後、今回のエクスカーションの中心となる東京電力福島第一原子力発電所を訪問しました。東京電力廃炉資料館で説明を受けた後、専用バスで発電所構内を視察し、廃炉に向けた取り組みの現状を実際の現場で確認しました。

研究発表会で取り上げられた除染、中間貯蔵、環境再生などの課題について、現地を訪れることで理解をさらに深める機会となりました。

エクスカーションの様子はフォトギャラリーで紹介しています。

行程など詳細はこちら

フォトギャラリー

参加者の声

エクスカーション参加者から、見学を通じて感じたことや学びについて、ご感想をお寄せいただきました。

 ≪エクスカーションに参加して≫

北海道大学文学部 太田美嘉さん

 今回のエクスカーションの中で最も印象的だったのは、福島第一原子力発電所構内の見学です。中間貯蔵情報センターや廃炉資料館は以前にも見学したことがありましたが、原発構内に入るのは今回が初めてでした。構内には様々な施設や大型機器が配置されており、どれもスケールが大きく驚きました。原子力発電所本体以外にも数多くの設備があることは、理解していたつもりでしたが盲点でした。既に使い終わったものから、現在使用中のもの、将来的に使用予定の設備や土地まであり、原子力発電にも廃炉作業にも、実に多様な設備と広大な土地が必要なのだと実感が湧きました。

  何より、福島第一原発1〜4号機を実際に目で見て、その大きさに圧倒されました。放射性物質の拡散防止のために保護シートのようなもので覆われている部分もありましたが、それでも事故の被害の大きさが伺えました。映像や写真ではなく自分の目で見ると、現実味が全く異なり、原子力発電のスケール感やエネルギーの大きさ、そして事故による被害の深刻さを実感し、正直なところ恐怖も覚えました。しかしだからこそ、実際に現地を見ることができて本当に良かったと思っています。事故の恐ろしさや教訓を伝えるためにも、ぜひ他の多くの方にも見ていただきたいと感じます。

  さらに、ALPS処理水の処理装置なども見学することができ、東京電力の職員の方から技術面や現在の状況について直接ご説明いただきました。ニュース等の報道で見聞きするよりも、どのように処理を行っているのかを具体的に知ることができ、大変ためになりました。専門的な技術のお話は少し難しく感じられる部分もありましたが、非常に厳格な管理のもとで処理が進められていることが分かり、より納得することができました。

  なお、原発の見学前には廃炉資料館で見学上の注意点について説明を受け、構内に出入りする際にも厳重なセキュリティチェックを受けたため、終始緊張感もありました。それだけ原子力というものは、厳重かつ慎重に扱わなければならないものだということを感じました。

懇親会

研究発表会1日目の8月26日には、産業技術総合研究所敷地内のcafe piquenique(カフェ ピクニック)にて懇親会を開催しました。

佐藤理夫会長の挨拶、環境省福島環境局長の名倉良雄様の来賓挨拶に続き、保髙徹生実行委員長の発声で乾杯。研究分野や所属の垣根を越えて、参加者同士の交流を深める場となりました。

また、株式会社EFAラボラトリーズの亀元宏宣様から福島のお酒、大迫理事長からは茨城県の地酒などをご提供いただき、各地のお酒も楽しみながら、和やかなひとときを過ごしました。

 懇親会の様子はフォトギャラリーで紹介しています。

フォトギャラリー